PHYCOLOGY
EQの鍵を握る「自己認識」
今回は、ゴールマンによる5つの認識の中で最も重要な「1.自己認識」について、一緒に見ていきましょう。科学的に、自己認識は情動(Emotional)のプロセスと関係があります。
自己認識を構成するの3つの情動的(Emotional)能力
- 情動の自覚・・・自分の情動とその影響に気づくこと
- 正確な自己査定・・・自分の長所と限界を知る
- 自信・・・自分の価値と能力を実感すること
1.情動の自覚・・・自分の情動とその影響に気づくこと
自分の体で情動を正確に知覚し、その由来を知り、自分の行動にどう影響しているかを理解することです。情動の自覚はセルフモチベーションと直結していて、自分のすることを心の奥底の価値観と整合させることで、うまく自分を動機付けられるのです。情動をしっかり自覚していれば、心の奥底の価値観に意識的にアクセスできます。
2.正確な自己査定・・・自分の長所と限界を知る
自己査定は、自分の感じる情動を超え、人間としての知識にまで及びます。「自分の長所とは短所は?」「自分の資質と限界は?」「自分にとって大切なことは何か?」そもそも、正確な自己査定は情動の自覚の上に成り立っています。正確な自己査定は「自己客観性」と言いかえることができます。
3.自信・・・自分の価値と能力を実感すること
自信は大きな能力です。自信はうぬぼれとは違います。持続可能な自信を強めるには、深い自己認識と自分に対する赤裸々な正直さを持つことです。つまり、これは自分に対して隠すものがいっさいないということです。
自分の心や情動や能力について、次の二つのモードを理解していれば、どれだけ多くの欠点を抱えていようと、どんな外見をしていようと、自分に自信をもつことができる。あるシステムを完璧に理解し、それがどんな風に故障するかを正確に知っていれば、そればどんなときに故障しないかもわかっている。そのシステムが完全ではないことを知っていながら、そのシステムに対して強い自信を持つことができるのです。①失敗モードと②復元モードの両方を正確に理解していれば、故障したときにさえ自信を持っていられるのです。
チャディー・メン・タン
ちなみに、12の組織の数百人の管理職を調べると、正確な自己査定ができる人が、たいてい優れた実績を上げていたのだそうです。
正確な自己査定能力を持った人とは?
- 自分の能力や限界を自覚している
- フィードバックを求める
- 失敗から学ぶ
- 改めるべき部分も承知している
- 自分の短所を補うような長所を持つ人と協力すべきときも心得ている
- 自分を過少評価しがち(自分に高い基準を課している証拠)
情動的(Emotional)を上手にコントロールし、正確に自己査定すれば、優れた実績や成功につなげることができる。とても興味深いことですね。
次は、「2.自己統制」について探っていきましょう^^